吉岡里帆さん主演のドラマ
「健康で文化的な最低限度の生活」が視聴率の低さで話題となっています。
吉岡里帆さんへのバッシングなどが横行するなか
俳優を生かし切れていない制作側への批判も多いです。
この記事では硬い題材である生活保護のドラマについて
視聴率が上がらない理由を考えてみたいと思います。
大バッシングの一方
このドラマの口コミを見ていくと大きくふたつに分かれます。
「題材が固すぎるし暗い、見ていて辛い」というものと「すごくリアルで勉強になる」というものです。
「健康で文化的な最低限度の生活」関心を持って見ている。ソーシャルワーカーが主役のドラマとしては最もよくできていると思う。ただ、「半田さん」は、ケースワーカーではなく査察指導員じゃないかなあ。
— cricket (@crickets_eye) 2018年8月15日
生活保護という制度自体は誰でも知っているのに制度自体には近寄りたくないし知らないまま人生を送りたいとする集団と仕事や家族、または自分の体験からそのリアル加減を比べて見ている集団とに別れているようです。
ドラマが言いたいことは何なのか
口コミの中にドラマ全体が訴えたいことが解らないというのがありました。確かに吉岡里帆さんの笑顔と深刻な題材から何を感じ取ればいいのか解らない人も多いはずです。
生活保護の問題点は山のようにありますが、まず新人公務員が配属されることでしょう。福祉事務所や生活課は出来れば行きたくないところというのは冒頭で描かれていました。
実際問題右も左も解らない新人だから耐えられる職場であると言えます。いや耐えられなくて公務員の安定も捨ててしまう人もいるはずです。
様々なケースに寄り添い柔軟な対応を求められるケースワーカーには豊富な法律知識と成熟した思考と社会の現実を受け止められる器と予算に対する割り切りが必要です。
そんなものは本来ベテランにしか求められませんが、やり手がいないため無理くり新人に押し付けているのが現状なのです。主人公えみるやその上司達のようにがっぷり四つに組んで仕事をする強靭な精神力を持つケースワーカーがどれだけ存在するのでしょうか。
つらいし見ていて疲れる
「健康で文化的な最低限度の生活」は視聴率は余りよくないでしょうね
ドラマって娯楽性が重要だと思うのですが、誰しもレールを踏み外す可能性があり、踏み外したらやり直しがききにくい日本社会で、軽く楽しんで見るにはテーマが重すぎる
それでも私は最終回まで見たいと思います— モナリ® (@realmadtype) 2018年8月21日
人生のつらい現実をいろいろな家族が乗り越えている場面はドラマであっても目を覆いたくなってしまいます。ドラマに描かれる問題はこちらを立てればあちらが立たずといった調子で楽しく見ることができる内容ではありません。
火曜日の夜は「健康で文化的な最低限度の生活」。「ただ、傍観しているだけではできない事を、利用者と一緒に悩んで、悲しんで、腹を立てて、喜んで。一緒に伴走するからこそできることがある。義経さんは、そういう伴走者になる力を持っている人なんじゃないですかね」。さすが、半田さん! pic.twitter.com/vM1CKKRURK
— 堀内てつお (@horiuchitetsuo) 2018年8月21日
これは同じような経験をしていたり、関係する職業に就いている人なんかからすると多くの人に知って欲しい現実なのかもしれませんし、自身が理想と現実を再考させられる内容なのかもしれません。しかし、理解するには頭を使いますし、苦しくて消したくなるのは避けられないでしょう。
この「リアル」は視聴者の先入観を変えるか
生活保護に対する誤解は多いと思われますが、これに挑戦しようとする関西テレビの情熱には頭が下がります。関西テレビは日本の大手テレビ系列とは全く違う思考を持つテレビ局です。
数多くのタブーに触れてきた同局が世間の批判に負けないで、どこまでこの作品を広げていけるのでしょうか。ただ「リアル」を描くだけでなく、視聴者にあっと言わせる展開を期待しています。
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